大腸肛門センター 大澤病院
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大腸肛門疾患治療の最前線では
大腸癌の化学療法(第2段)

前回は大腸癌(直腸・結腸癌)の化学療法のTopicsでした.抗癌剤治療は誰がするかといったことにも触れましたが,外科医の立場からいえば「外科医が,正しい抗癌剤治療の知識をもって,世の中でエビデンスのあるスタンダードな治療を行う」のが理想かなと思います.抗癌剤治療は,受ける患者さんと施行する医師が,一緒に一喜一憂しながら進んでいくべきもので,再発したから,進行していたから「では,次は内科の先生に抗癌剤治療を」ではなかなか医師と患者さんとの信頼関係を築くのは難しいでしょう.

 平成17年4月よりやっと日本でもオキサリプラチン(Oxaliplatin)という大腸癌の抗癌剤が承認されました.この薬は日本で発明され,他剤との併用で進行・再発大腸癌に優れた効果があることが2年前の米国臨床癌学会(ASCO)で発表されています.まず1996年にフランスで承認され,次にヨーロッパついでアメリカでも承認されていましたが,日本ではやっとという感じです.いい薬だけれども使えない,高いのを我慢して個人輸入すれば混合診療になるので抗癌剤以外の医療費もすべて自費になり,健康保険はまったく使えない.日本で作られた薬でよく癌に効くけれども,実際には日本で使えないという現象はこの薬だけではありません.安全第一主義と言えば聞こえはいいですが,「もし副作用でなにかあったときに誰が責任とるの?」という日本のお役人らしい考え方が見えてきます.また“新薬”→“副作用”と結びつけたいマスコミのかたが少なくないようですが,「木を見て,森を見ず」の報道・記事をよく目にします.

当院では,消化器癌(胃癌,大腸癌)・乳癌・肝臓癌の外来化学療法を,毎週月・水・金曜日の午前中に行っています.なかでも大腸癌の患者さんが多いのですが,やっとオキサリプラチンが使える体制となり,また一つ大腸癌治療の引き出しが増えたことは喜ばしいことであります.日本ではまだ大腸癌に認可されてないカペシタビン(Capecitabine)や分子標的薬剤であるアバスチン(Avastin)が,早く大腸癌に使える日が来るよう心待ちにしています.
 
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